崩れる脳を抱きしめて

著者 :
  • 実業之日本社 (2017年9月15日発売)
3.73
  • (231)
  • (423)
  • (383)
  • (62)
  • (9)
本棚登録 : 3677
感想 : 401
3

知念実希人さんの本は2冊目。「ひとつむぎの手」が素晴らしかったので、読んでみた。

研修医・碓氷蒼馬は研修先の療養型病院で、グリオブラストーマに罹患した2つ年上の女性・弓狩(ユカリ)環の担当となる。二人は心を通わせ合い、碓氷はユカリに恋していることを自覚するが告白できない。そして、研修から元々いた広島の病院に帰った後、弓狩が亡くなったことを知る。
碓氷は弓狩の遺産相続に関して不審な点に気づき、研修先の横浜に戻り真相を調べるが…

という話。

この小説は、恋愛小説と謎解き小説、2つの要素がある。
恋愛の要素については、そこそこ楽しめたが、文体が軽くて心に引っかからない。主人公もあまりいい奴ではないので、感情移入しにくいところが残念。
謎解き要素は、伏線がしっかり回収されていてスッキリできた。
総合的には読みやすいし、重いテーマを扱いつつも前述のように軽い文体なので、楽しんで読めるミステリーだと思う。

ところで、グリオブラストーマは平野啓一郎さんの「ある男」でも取り扱われる病気。オビに「愛した彼女は幻なのか」とあるが、「ある男」も「愛したはずの人が実は別人だった」謎を解くストーリー。
どうでもいいけど、興味深い共通項。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年11月24日
読了日 : 2019年11月23日
本棚登録日 : 2019年11月20日

みんなの感想をみる

コメント 2件

やまさんのコメント
2019/11/24

たけさん
こんにちは。
いいね!有難うございます。
やま

たけさんのコメント
2019/11/24

やまさん、こんにちは。
こちらこそ、いつもいつもありがとうございます。

この本の字の大きさは、どうですかねー…中程度ですかねぇ

ツイートする