知念実希人さんの本は2冊目。「ひとつむぎの手」が素晴らしかったので、読んでみた。
研修医・碓氷蒼馬は研修先の療養型病院で、グリオブラストーマに罹患した2つ年上の女性・弓狩(ユカリ)環の担当となる。二人は心を通わせ合い、碓氷はユカリに恋していることを自覚するが告白できない。そして、研修から元々いた広島の病院に帰った後、弓狩が亡くなったことを知る。
碓氷は弓狩の遺産相続に関して不審な点に気づき、研修先の横浜に戻り真相を調べるが…
という話。
この小説は、恋愛小説と謎解き小説、2つの要素がある。
恋愛の要素については、そこそこ楽しめたが、文体が軽くて心に引っかからない。主人公もあまりいい奴ではないので、感情移入しにくいところが残念。
謎解き要素は、伏線がしっかり回収されていてスッキリできた。
総合的には読みやすいし、重いテーマを扱いつつも前述のように軽い文体なので、楽しんで読めるミステリーだと思う。
ところで、グリオブラストーマは平野啓一郎さんの「ある男」でも取り扱われる病気。オビに「愛した彼女は幻なのか」とあるが、「ある男」も「愛したはずの人が実は別人だった」謎を解くストーリー。
どうでもいいけど、興味深い共通項。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年11月24日
- 読了日 : 2019年11月23日
- 本棚登録日 : 2019年11月20日
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コメント 2件
やまさんのコメント
2019/11/24
たけさんのコメント
2019/11/24