雪密室 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1992年3月3日発売)
3.13
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本棚登録 : 874
感想 : 93
4

あぁ...なんか好きだなぁ。
全体に漂う雰囲気だったり、法月親子の関係性だったり、無駄なものを付け足さずに挑戦状を付けるところだったり。
死体を転がしまくるミステリが多い中で、一つの殺人だけを調べ込むというのも個人的には好き。(エラリークイーンの『フランス白粉の謎』のような)

そして事件の真相はというと、密室トリックに関しては悪くない。「第三の人物」を特定するロジックもエレガントなのだが、問題は耳栓に関する推理。
あれは
「声をかける→耳栓してるから聞こえなくて警視起きない→近寄る→耳栓に気づく(特に横向いて寝てれば)→揺すって起こし、耳栓を指差す」
という風に考えるのが自然ではないだろうか。

法月綸太郎が一気に好きになった。
ミステリとしての質はそこまで高くないかもしれないが、自分にとって好きなミステリなのは確か。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年10月4日
読了日 : 2021年10月4日
本棚登録日 : 2021年10月4日

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