真田太平記(九)二条城 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1988年1月28日発売)
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本棚登録 : 1197
感想 : 59
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真田太平記このシリーズの面白さ醍醐味が押し寄せてくる想いで読ませていただく。善と悪?弱者が強者に立ち向かう日本人特有の判官贔屓、という展開で物語は進んでいくのかと思っていたが、私の取り方ですが、現時点で真田父子に感情移入が仕切れない出来ない。真田父子(草の者も含め)が望む戦の先にある「大義」は何であろう?自分達の死に場所を見つける事?歴史に名を轟かせる事?家康を徳川を倒して創りたい世の中の構想があるか?ついつい考えてしまう。逆に徳川家康の「大義」は?戦の無い国を創る!富国泰平の世!私利私欲にまみれての「大義」で無いとすれば、立派な民が喜ぶ大願では無いだろうか?このシリーズの良いなと思う所の一つは読者が考え楽しめる事では無いだろうか!現時点で徹底的に家康を悪にしない事が良い意味で読者の試行錯誤を招いている、つくづく感じた九巻であった。
 更に言うと私自身、徳川家康のファンでは無いが天下人豊臣秀吉の愛息、秀頼を討つ事が家康の恩知らず、欲望の塊!どうしても良く観られない傾向?他の物語でも悪として描かれる事が多いと思うが、このシリーズでは秀吉はどうであったか?織田信長の息子(一族)をどのように扱ったか?という秀吉に対する疑問も投げかけている気がした。残り少なくなったシリーズであるがしっかりとこの後の展開楽しみたい!
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史小説
感想投稿日 : 2023年9月14日
読了日 : 2023年9月14日
本棚登録日 : 2023年9月8日

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