100万分の1回のねこ

  • 講談社 (2015年7月16日発売)
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本棚登録 : 1206
感想 : 165
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もう、きゃっきゃしながら楽しく読みました(^-^)

佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』を13人の作家さん達がトリビュートした短編集。

気になったいくつかの作品の感想を。

トップバッターは江國香織さんの『生きる気まんまんだった女の子の話』
本家の『100万回生きたねこ』の場面がありありと目に浮かぶあのシーン。まるで絵本のとらねこと、この小説の主人公と、読んでいる私が同時におんなじ哀しみを感じているような、そんな不思議感覚になりました。

角田光代さんの『おかあさんのところにやって来た猫』
うちの牝猫が4日間行方不明になった事を思い出し、思わずこの小説の主人公猫と重ねてしまい切なくなります。
5日後に帰ってきてくれたのですが、何故行方不明だったのかは(もちろん)謎のまま。うちの猫もこういう気持ちだったのかも!と飼い主は妄脳で思ってしまいましたよ(笑)

今江祥友さんの『三月十三日の夜』
これは絵本を読んでるようにシーンごとに絵が浮かびました。行われていることは激しくて恐ろしいことなのに印象は静か。この人の本読んでみたいな、と思ったら2015年に亡くなられたそうです。残念です。

唯野未歩子さんの『あにいもうと』
女優さんとしての彼女は好きだったけれど、小説は初読みでした。少し淫靡で意地が悪い。ざらざらとした嫌な気分になるけど、それが忘れがたいです。

川上弘美さんの『幕間』
これはもう冒頭から「あれだ!絶対あれだ!」と勘づき、笑いが堪えられなくなりました。この作品が一番好きでした。

元夫の谷川俊太郎さん、息子の広瀬弦さんの作品も入っていて豪華さに身もだえしそうな素敵な本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アンソロジー
感想投稿日 : 2018年2月17日
読了日 : 2018年2月17日
本棚登録日 : 2018年1月25日

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