ある日母がこう言った。
母「ほら、テレビ、見てみ」
...テレビにはお笑いコンビ、ピースの又吉の姿。
あれ、でも、いつもと様子が違う...。
トレードマークの長いウェーブヘアをアップにしている。
後頭部は大きく刈り上げられていてうなじが丸見え。
私(おお(嬉))
...はっきり言ってかっこいい。男っぽい色気。気骨がありそう。ネクラなだけに思えた独特の表情も思慮深さと優しさを湛えているように思える。
母を見るとうつ向いている様子。
...ん?もしかして、照れている?
...親子揃って又吉直樹さんにプチ一目惚れした瞬間でした。
その後すっかり又吉さんのことはどうでもよくなっていましたが、ブクログでフォローしている方の楽しそうなレビューにココロほぐされ、図書館で借りてみることに。
あ、前に『火花』を読もうと思ったのですが、読書を再開したばかりで活字慣れしてなかったためか、密度と熱量が高そうな文章に「無理無理無理」と一ページ目でギブアップ。
今作も警戒しながら、でも期待しながら読み始めました。
そしたら冒頭の文章の出来事を思い出したわけです。
髪をアップにした姿=芸人の顔だけではない又吉さん。...戸愚呂兄みたいなウェッティなウェーブヘアの下にいろいろ隠してましたね。又吉さん。
彼の真摯な言葉にいちいちココロを打たれながら読み進めたため、読むのに時間がかかってしまった。
特に『共感』のくだりは「そーだそーだ」と首を縦にぶんぶん振りたくなりました。
もちろん、『共感』だけではなく『新たな視点』もいただけて実りある読書体験でした。
太宰治への思いを語る又吉さん。
こういう風に惚れ込んだ人やモノを語る人に弱いのです。
問答無用に応援したくなります。
中学生の時「だから、何?」という感想を持った『人間失格』をもう一度読み直したい気分です。
- 感想投稿日 : 2018年5月25日
- 読了日 : 2018年5月25日
- 本棚登録日 : 2018年5月25日
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