人間仮免中

著者 :
  • イースト・プレス (2012年5月18日発売)
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本棚登録 : 1586
感想 : 251
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卯月妙子さんの名はミミズ関連のはなしで噂には聞いていた。(みなまで言いませんが)
でもこんな壮絶、という言葉では言い表せないほどの半生を送られていたとは...!
統合失調症は最近漫画やエッセイで本人や親しい人たちの声が聞こえるようになったとおもうが、この漫画は患者本人によって妄想や症状を包み隠さず描かれている、という点で貴重では。妄想は凄まじく、「一見奇怪な行動をとっても無理ないな」と思った。電車に乗っているとき、人を殺したくなったので持っていた鉛筆?で腕をぶっ刺しつづけたり、入院先の病院で「病院の人に殺される」妄想に陥り、恐怖に打ち震えたり。歩道橋の上から顔から地面にダイブしたり。徹底的に「当事者」側から描かれているので追体験できたようなそんな錯覚に陥る。でも読み心地は「愛っていいなあ」なのだ。卯月さんから惚れて始まった25歳年上の「ボビー」との恋愛や親類や前の旦那との息子のシゲルとの交流。彼女自身の何て言うのか、「色々あっても生きてるって素晴らしい」というポジティブな面がそう思わせられるのか。分厚い漫画だけど一気に読めます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2018年1月2日
読了日 : 2018年1月2日
本棚登録日 : 2018年1月2日

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