大阪に生まれた者としては無意識なことなのかもしれないが、大阪人は合理性(たとえば商売上の才覚、価値基準)と不合理性(情念や怨念、特に人情ともいう)というように相反する性質を兼ね備えているところがある。
大阪人がこの相反する二つの性質をうまく持ち続けられている理由は、古代より重層的に積み重なってきた「神さん、仏さん」の宗教性の影響が大きいということ。
そして、そこに住む大阪人は上町台地を宗教的背骨としながら、権力的指向の強い「タテの関係」よりも連帯的指向の強い「ヨコのつながり」を形成してきたということが本書を通じてよくわかった。
その土地の宗教的土壌を知ることはそこに住む人々の特質ともいえる精神性を理解するこのなのだと。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
大阪
- 感想投稿日 : 2015年5月31日
- 読了日 : 2015年5月31日
- 本棚登録日 : 2015年5月10日
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