まず、「錦繍」というタイトルが秀逸。
不倫とか離婚とか心中事件の真相などは、この小説の主題ではないことがタイトルでわかる。
あと、書き出しがとても印象的。
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした。」
この小説を、端的に美しく表している。
ラストのやり取りがよかった。
手紙から後光が出ていた。特に有馬のほう。
亜紀は父親の無償の愛に守られることで、有馬は令子さんに力強く引っ張られることで、前に進み始める。
助けてくださいって言うことって、すごく大事なことだと思う。
弱っているときは、そばにいる人に助けてもらう。
それで強くなって、今度は弱っている人を助けてあげる。
生きるって、こーいうことなんだと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本現代
- 感想投稿日 : 2023年6月9日
- 読了日 : 2023年6月4日
- 本棚登録日 : 2023年5月25日
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