ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)

  • 岩波書店 (1967年4月16日発売)
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アバタロー氏
1885年出版

《フリードリヒニーチェ》
1844年生まれ ドイツ哲学者
牧師の息子、天才少年、20代でバーゼル大学の教授
1864年ボン大学、神学の勉強と信仰をやめて母親と大喧嘩
本著4部構成を4冊売れない
1889年45才倒れる
本が売れはじめる
55才死亡

《感想》
神が前提の世界と絶対的真理がなくなった世界の、非常に大事な局面の本だと思う
世間は簡単には認めなかったでしょう
難しいので歴史背景も調べてみたい

《内容》
ツァラトゥストラが10年山籠もり後下山し、知恵を分け与える物語

・この世の中は絶対的な真理や価値はない
神を前提と成り立っていた世界が崩れた
人間は自分たちの手で「神はいない」と証明してしまった
信じるものを失い何のために生きるかその意義を見出せなくなる状態をニヒリズムという
末人でなく超人のイメージになろう
超人たるは幼子のような精神をその身に宿すものなのだ

末人→希望もなくただ惰性的に生きる事
超人のイメージ→不屈の精神力、力強い意志を持ち、自らの人生を肯定しながらより高みへ向かおうとする存在
幼子→精神は三段階でらくだ、しし、幼子だ
幼子は自由気ままに遊ぶ精神

〇永遠回帰 重要
永遠回帰とは同じことが無限に繰り返される仮説のことを指す
それが事実か事実でないか重要でない、輪廻思想とは違う
前向きに歩んでいくための思考法
ではいったいどうやって回帰思想を受け入れることができるようになるのか?
それは条件でニヒリズムを克服すること
不安恐怖失望を自らかみ殺し肯定的にとらえ直せば、永遠の肯定ループが生まれる
この回帰思想を「およそ到達しうる限りの最高の定式」

〇運命愛とは、自分の運命をすべて受け入れ肯定し、愛する心の態度のこと
生きているうちにたった一度でも喜びを味わったのならその人生は生きるに値する

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文(心理・歴史・思想)
感想投稿日 : 2023年12月16日
読了日 : 2023年12月16日
本棚登録日 : 2023年10月6日

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