最も親しいと思っていた友人(わたし)からも、家族からも見えない部分を残したまま行方不明になった日浅。完全な人物像など誰も掴みきれない、日浅の姿は語り手の「わたし」や会社の人間、父親の心の内に映ったものでしかない。
自ら行動して行方不明になるよりも、強大な力によって身元不明の死者も多く出たあの災害で行方不明になったという結果が、日浅の曖昧な輪郭(人物像だけでなく生死も)を表現しきる為に必要だったのでは、と思う。何となく匿名タイプのSNSでの人間関係と似てるなとも思う。近いけれど遠い関係性
時系列がバラバラなのと、元恋人とのやり取りを追想するシーンで少し混乱。日浅に対する距離感が近いな…と思ったらそういう事かと納得。個人的に、日浅の行動に含まれる隠喩表現(なのか?)が苦手で☆1つマイナス
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図書館本
- 感想投稿日 : 2022年11月11日
- 読了日 : 2022年11月11日
- 本棚登録日 : 2022年11月11日
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