惜しい!
扱うテーマが大きすぎてページ数が足りてない気がします。
テロリストから木星のコロニーを守る話、
と云うだけでかなり大きな話なのに、
300頁じゃそりゃ説明だらけになってしまいます…。
なので、上田作品の魅力の一つである
登場人物の細やかな描写や、其処から伝わる
人物の魅力が半減してしまっていて、
どの人物にも移入できない。
でもって、パキッとした繊細な文体も、
説明文に押されてしまって際立っていないのが
本当に残念です…。
でも、全体的には面白かったです。
(ハーディングとウェリタスが若干ラブコメっぽい…)
ジェンダーを扱う割には、
ドロドロとした個人の関係描写が少なくさばさばしている気がします。
女性がジェンダーを扱う作品てゲンナリしがちなのですが、
この作品はそういう「どっちが得してるのか」的な
苛々させる思惑が感じられないので読みやすかったです。
娯楽小説は読了後「面白かったな~」で済めば良いと
思うのですが、これは後々まで色々考えてしまいます。そう云う点も評価できる作品だとは思いますが、
…もっと長くても良かったんじゃないかな…。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年4月10日
- 読了日 : 2015年4月10日
- 本棚登録日 : 2015年4月10日
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