あみ子は、その場の空気とか、人の気持ちが、分かりにくい、女の子だ。キモい、と散々言われているが、自由の気持ちにまっすぐな言動をする。
それは時に、周りの人達を、傷つける。
産まれてくるはずの、赤ちゃんを死産したお母さんに、「弟のおはか」を、プレゼントしたり、自分の舐めた後のクッキーを、大好きな、のり君に、食べさせたり……。そのことに気づいたのり君とあみ子の叫び 「好きじゃ」「殺す」「好きじゃ」「殺す」「好きじゃ」「殺す」「のり君好きじゃ」「殺す」……あげく、のり君にこぶしで顔面を殴られて、あみ子は前歯を三本失くすことになる。 痛い。
あみ子がラスト近くで、あみ子をずっと見てきた、坊主頭に、自分のことを、「気持ち悪かったかね」と聞くシーン。
「おまえの気持ち悪いとこ?百億個くらいあるでー」……「いちから教えてほしい。気持ち悪いんじゃろ。どこが」「どこがって、そりゃあ」「うん」……そのあとの、坊主頭の言葉に、救われた思いがした。あみ子はようやく、今まで眼中にもなかった他人と、心が繫がったように思えた。
やさしくしたいと強く思った。強く思うと悲しくなった。……というあみ子の心は、変わっていくのかもしれない、と、思い、読後感は、案外明るかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年7月25日
- 読了日 : 2021年7月25日
- 本棚登録日 : 2021年7月25日
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