長宗我部盛親(元親の方でない)の豊臣末期から大阪夏の陣までの物語。
関ヶ原で破れて以来、寺子屋の先生としてひっ塞してる期間が長い。不遇な時期は私たちの現実にも往々としてあらわれる。「虎が猫として飼われている」ような盛親の鬱屈に共感し自分を重ねてみてしまう。また、大名は多くの家来の人生を背負っているからその重さや守れなかったやりきれなさというのは想像を絶する。だからこそ、再起の際に「過去から未来への闇」を大阪城に向かって進む姿、「天に賭ける」決意をするときに晴れやかな、胸のすく気持ちになるのだ。今居場所が見つからないとか、立ち位置がわからないとか、うまくいかないなぁなんて思ってる人にぜひ、読んでほしいです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
司馬遼太郎
- 感想投稿日 : 2021年3月8日
- 読了日 : 2021年1月31日
- 本棚登録日 : 2021年1月31日
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