羊と鋼の森

著者 :
  • 文藝春秋 (2015年9月11日発売)
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音楽という才能果てない世界で、ピアノの調律師を志す戸村。深い森の静謐で語られるような文章が心地よいです。
「何ひとつ無駄なことなどないような気がすることもあれば、何もかもが壮大な無駄のような気もするのだ。」
「一歩ずつ、一足ずつ、確かめながら近づいていく。」
「努力しているとも思わずに努力していることに意味があると思った。」
迷いながら歩みを進める戸村に、思わず自分を重ね合わせ共感や感動をします。宮下さんは、こんな気持ちを文章化できるんだからすごいなと何度も思いました。そして、物語に引き込まれました。
誰しも人生の中で、自分が一体何者で、何を目指しているのか考えるときがあります。
今、目標に向かって進んでいる人、目指したことがある人の心に刺さる内容だと思います。
前向きな気持ち、あたたかな気持ちになれました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年3月3日
読了日 : 2022年3月3日
本棚登録日 : 2021年12月30日

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