10年くらい前に読んでまた読みたくなった話。
自殺の名所東尋坊で死者に誘われたような話。
一文一文が短いためペース良く読めるが、内容はかなり暗い。始終、曇天のような雰囲気が漂っている。
東尋坊を訪れた主人公が、何かに誘われるようにそこから落ちた…先がぼくが生まれず、姉、サキが生まれていた世界。
流されるばかりで何もしなかったぼくと、お節介な性格なサキとでは、岐路となる所での選択が変わり帰結するところも違っていた。
何もしない事が悪い事とは思わないし、子どもである彼らにできる事なんて限られているから、仕方ないとも思う。
でも、呼び込まれた世界が、何もかも上手くいっている理想の世界、だった。
ぼくが感じた絶望はどれほどだったか…。
環境のせいに出来ず、どんどん追い込まれていく。
最後自分の世界に戻った時に送られるサキの電話と母からのメール。
ここも大きな選択の一つになるだろうが、ぼくがどちらを選んだのか結果が書かれていない。
後味が悪い作品でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年3月23日
- 読了日 : 2023年3月23日
- 本棚登録日 : 2023年3月23日
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