普通の小説ならば相手の表情や様子・主人公の感情などの情景描写によって気づくのであろう展開の急転が一切排除されているので、ミステリーの持つ「人間の怖さ」が人物の会話後半に一気に明らかにされる。
現実世界でもそうだが口先だけ良い人は沢山いて、情報がない中でその裏に潜む本質を解き明かすのは非常に難しいんだろう。
善人の面を被って怪しいカルト集団を作り上げる女性や、サラリーマンのフリをして真相を知る者の口封じを実行する男の会話なんかは、予想もつかない展開で、ありきたりなホラー映画よりもよほど恐怖を感じた。
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- 感想投稿日 : 2020年8月26日
- 読了日 : 2020年8月26日
- 本棚登録日 : 2020年8月26日
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