盤上の向日葵

著者 :
  • 中央公論新社 (2017年8月18日発売)
3.90
  • (375)
  • (798)
  • (391)
  • (54)
  • (13)
本棚登録 : 4441
感想 : 598
5

2018年、本屋大賞2位
個人的に以前に読んだ同年1位の辻村さんの「かがみの孤城」と引けを取らない作品と感じた。

主人公である上条桂介の幼き日から人気有名棋士に至るまでの物語なのだが、それが不幸で辛い。
読んでいて悲惨さからくる共感するような同情心を強くかき立てられる。

自分の出生の事実から父親からの虐待を含む育児放棄。桂介のその人生を「向日葵」と隠喩するように表現する作者の感性に驚歎した。
ゴッホの作品「向日葵」と同様、寂しさと儚さと狂気を含んでいる言葉だと納得する。

「血」が向かわせる運命、その悲しい結末。その血の中にやはり「真剣」がどこにも潜んでいて「真剣」が桂介の人生ならば運命に沿った人生だと感じた。

凄い作品だと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月13日
読了日 : 2023年9月13日
本棚登録日 : 2023年9月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする