世の中は無常だ、だからこそ面白いんだ。
仏教観、人生観、自然や人への情緒など、あらゆるものに目を向けられた兼好法師の随筆集。
嵐山光三郎さんが現代訳、更に内容をより分かりやするするために『影の声』をつけた。
学校で習ったのは『無常観をうたった随筆だ』と教わっていましたが、実際読んでみると全然違うのがわかります。
元々は親王が良い政治をするようにと、『帝王学』として書かれていたものだそうです。
書いている途中に親王が亡くなり、内容は世の中の多くの人を対象にしたものへと変わっていきます。
なので、最初の方は政治学や教訓が多いです。
この現代語訳は徒然草の中からいくつかの段をピックアップしたものですが、どこから読んでも兼好法師の思いが伝わってきます。
私は『今の一瞬を生きる』『自分の心の置き方ひとつで、何にでも情緒がわく』と言うところが、胸に響きました。
ちなみに『影の声』は訳註のことで、嵐山さんが兼好法師に語らせています。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年8月5日
- 読了日 : 2020年8月5日
- 本棚登録日 : 2020年8月4日
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