短編集だがとりあえず『武蔵野』を読む。
夢うつつの京都の針葉樹林から
落ち葉をわけて歩く武蔵野の広葉樹林へ偶然のトリップ。
布団の中が、電車の中が、カフェの中が一瞬で林の中になるお散歩随筆。
山の手の西側の感覚だとか、私たちの毎日に当たり前にあった小さな上水だとか
めったに雪の積もらないよく晴れた冬、そして夏。
100年前から変わってきた街と変わらない季節。
散歩という許された幸福。
『林の奥に座して四顧し、傾聴し、睇視し、黙想す』
『自分はこの流の両側に散点する農家の者を幸福の人々と思った。無論、この堤の上を麦藁帽子とステッキ一本で散歩する自分たちをも。』
ほんの数十ページだけど何度でも読みたい。暗唱したい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年3月29日
- 読了日 : 2010年2月14日
- 本棚登録日 : 2010年2月14日
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