狷介極まりない批評家と対峙すると、読者も鎧を着てしまうものだ。そんな先入観の中、ドストエフスキイというこれも一筋縄ではいかないロシアの文豪の歴史を紐解いた当該作品は、より本質を掴もうとする批評家、小林秀雄の姿勢が感じられ感銘を受けた。ドストエフスキイの作品は2〜3作読みもしたが、このような評伝に接っしたことがなかった。賭博、癇癪、宿痾の病癲癇、投獄とシベリア流刑、子供の死、借金とその凄まじい人生に驚き、かつロシアの民衆(ナロード)を愛したドストエフスキイの姿が素晴らしいものと思えた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2022年10月27日
- 読了日 : 2022年10月27日
- 本棚登録日 : 2022年5月21日
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