本作タイトルと同名の映画がこの夏、封切りとなりました。本作と映画の内容は関連はないとのことですが、名著として名高くいつか読まねばと思っていたので、映画で話題になっており、良い機会なので読んでみました。
タイトル通りに、生き方を問うた人生読本です。
生きることの根源的な問いに立ち向かい、いかに生きるべきかというテーマと正面から格闘した名著と言えるでしょう。何よりタイトルが秀逸で現在でも色褪せない。戦前に出版されていますがセンスを感じます。
主人公は本田潤一君、15歳の中二生。母子家庭。2年前にメガバンクの重役だった父と死別。ニックネームはコペル。同級生の北見君や浦川君が仲の良い友達だ。
うだつのあがらないいじめられっ子で貧乏な浦川君。いじめっ子の山口たち。浦川君を貶め笑い者にしようとした山口に怒る北見君。正義感の強い北見君は山口をボコボコにするがそれを止める浦川君。コペルは感動し父なき後の良き相談相手の叔父に話す。
叔父はコペルに「君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことをくれぐれも大切にしなくてはいけない。それを忘れないようにして、その意味をよく考えてゆくようにしたまえ」とアドバイスを送る。
北見君は誰にも忖度しない真っすぐな人物であり上級生からは生意気に思われておりターゲットにされていた。コペルは北見君を裏切らない誓いをする。
ところが…
上級生から目をつけられた北見君がボコられた時に、コペルは仲間の中で一人だけ助けず見て見ぬふり。罪悪感がとめどもなく溢れ友を裏切った自分に対する悔恨に責められる。何やってんだコペル!!(笑)
北見君を裏切ったことでずっとうじうじして学校にも行けないコペルに叔父からの叱責と北見君への手紙出しのアドバイスを受ける。その後、手紙を受け取った北見君らからお見舞い訪問され雪解けとなる。
な~んてお話しですが、これはほんの一部です。歴史上の偉人が出てきたり、今で言うメタ認知の大切さが書かれていたり非常に興味深く読めました。
- 感想投稿日 : 2023年11月5日
- 読了日 : 2023年2月2日
- 本棚登録日 : 2020年12月26日
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