ぼくたちオタクは肯定された。旧劇場版でコテンパンに否定されたぼくたちオタクは、本巻において肯定される。でも、それは果たして良いことなのだろうか。
ぼくたちオタクは好きなものをたくさん量産する。それはまるでゲンドウが綾波レイのダミーを大量に量産した様に似ている。ぼくたちオタクは欲望の対象を量産し、愛し、そして壊していく。それはゲンドウやシンジの相似形に他ならない。
ぼくたちオタクはゲンドウであり、またシンジなのだから。
だからこそ旧劇場版においてぼくたちオタクはコテンパンに否定されなければならなかった。アスカに「気持ち悪い」と言われなければならなかった。
だが、本巻はぼくたちオタクを慰撫してしまう。
いまのぼくは本巻を素直に受け取ることができない。だがそれはオタクとしての自分を内在化し過ぎているだけなのかもしれない。このぼくの読後感が狭小的なものに過ぎない可能性もある。もう少し本巻について考えていくべきかもしれないと思った。
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- 感想投稿日 : 2021年3月14日
- 読了日 : 2021年3月14日
- 本棚登録日 : 2021年3月14日
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