千年樹 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2010年3月19日発売)
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 長い年月を生きてきた樹と、樹とともに生きてきた人々の物語のモチーフを思い描いていたところ、この本に出会いました。

 千年の時を生きてきた樹はその樹皮に人々の想いをまといます。 根は時に人々の悲しみや、涙を吸い取って来たかもしれません。木々の葉は周りで喜び遊び回る子供の声や、明るい陽の暖かさを感じていたかもしれません。恐ろしく長い時を、同じ場所で、繰り返す人々の人生を見てきたのでしょう。

 手を広げても余りある、大きな樹を抱きかかえてみませんか。一目では見上げることのできない程の大きな樹形に囲まれると、樹と空気と土と木漏れ日、そして自分自身が一体となる感覚が湧いてきます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸
感想投稿日 : 2013年10月22日
読了日 : 2012年8月22日
本棚登録日 : 2013年10月22日

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