新書520 下流老人 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2015年6月12日発売)
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2015年の新書だが、まだまだ新鮮に読める。
一部の貧困層だけではなく、今は大丈夫と思っている大多数の日本国民が老後に破産し、健康で文化的な最低限の生活さえも送れなくなる可能性があることに警笛を鳴らした本。
資本社会である限り、貧困は個人のせいではなく、社会のせいである。というのが著者の一貫した主張。そのため、年金で足りない分は、生活保護をもらうことをためらってはダメ。高齢者になるまで、税金を払ってきているので、生活保護を受ける権利はある。
日本人で問題なのは、社会から施しを受けるのは嫌、親族に迷惑をかけるのは嫌という理由で生活保護以下の生活をし、孤独死をしてしまう老人が多いということ。自己責任論、生活保護受給者叩きなどは、日本特有の概念。

著者の主張は非常に理解できるし、納得できる。日本の社会保障について考えさせられた1冊。ただ、中流階級の自分からしたら、年金だけでは足りないのは分かってることなので、老後の準備はやはりやっておくべきだし、自己責任だよなぁ、不公平だなぁというモヤモヤ感は否めない。私も漏れなくthe日本人的な感覚。もう少し広い心を持たないとな…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年6月18日
読了日 : 2019年6月18日
本棚登録日 : 2019年6月18日

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