人生生涯小僧のこころ

著者 :
  • 致知出版社 (2008年3月10日発売)
4.17
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本棚登録 : 666
感想 : 80
5

『人生生涯小僧のこころ』

知足 ★★★★★
日常五心 ★★★★★

【著者】
僧侶の方です。高校卒業と同時に仏門に入っています。どんな方か?
①大峰千日回峰行を納めている方
これは、片道24kmの山道、標高差1,000メートル以上を16時間かけ、しかも1日で往復をするという行です。これを千日間続けます。
過去1300年の歴史の中で、この方含めて2名だけしかこの行を納めていないという非常に厳しいものです。
200日目前後で「血尿」となるそうです。

②四無行(断食、断水、不眠、不臥を9日間続ける行)を納めている方
①の1年後にこの行を納めています。あらかじめ断食で体を整えて臨みます。一滴の水も許されない、こちらも大変厳しい行です。
水分をとらず、しかし排尿されるため「1日で1キロ痩せる」とのことでした。
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【購読動機】
私は、無宗教です。定期的に心をスクリーニングするように努めています。
そうした一環で、心にまつわる本を読み、自身と外部の世界を対比させています。
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【読み終えて】
・知足
 足るを知る。
今、こうして命がつながり、日々を営むことができていること自体に「ありがとうございます」の気持ちを自然にもてるようになること。
大変な行を納めた著者ですら「努力して為せる」ことなのだとわかりました。

・日常五心
 仏教の言葉です。別の書籍で知りました。
 はい(素直)、すみません(反省)、どうぞ(謙虚)、やります(奉仕)、ありがとう(感謝)。
 言われてみれば当たり前です。でも、その当たり前の実践が難しいです。
 著者ほどの僧侶の方もそう感じているということでした。
 日々、自然に行えるて状態を目指したいな・・・。
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【本書より】
人生を論じる暇はない。今この時をもって生きるのです。157

「自分は何のためにしているのか」という問いに対する答えをきちんと整理しておくことだと思います。目標がはっきりしていないと、結局自分自身が疲れてしまいます。178

もっとも重要なポイントは、人を恨まない、人を憎まない、人のせいにしないという覚悟を持つことです。
「やらされている」と思えば、どんどん心が枯れて卑屈になってしまいます。212

人と人との心をつなげるのに技術は必要ありません。技術とか経験とかいうものは、時によっては毒にもなります。大切なのはたったひとつ、それは「心」です。230

実際の日常生活の中で本当に原点に返っているかどうか、日々が挑戦です。努力です。240

流れにしたがって生きていくということは大事だと思います。決定的に生き方が変わったとき、決して自分から「ああしよう」「こうしよう」としない生き方になってきておりました。255

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心の勉強
感想投稿日 : 2023年9月23日
読了日 : 2023年9月23日
本棚登録日 : 2023年7月30日

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