武士道 (岩波文庫 青118-1)

制作 : 矢内原忠雄訳 
  • 岩波書店 (1938年10月15日発売)
3.66
  • (230)
  • (261)
  • (460)
  • (40)
  • (10)
本棚登録 : 3618
感想 : 319
4

2019年4月17日読了。現行五千円札の肖像でもある(津田梅子に取って代わられるが)著者が、キリスト教に基づく秩序を持つ欧米に対抗する日本の論理として編み出した「武士道」についての考察。武士道礼賛・日本スゲーが過ぎて「ほんまかよ」と思う部分も多いが、100年以上前の日本で欧米人向けに書いた本、と考えれば確かに名著、と思う。戦闘階級がお金を「不浄なもの」として退けて作法や名誉を重んじたことが社会に秩序をもたらしたとか、切腹を「最上級な名誉な行為」と置き、処罰としてではなく犯罪者やその家族の名誉回復の場として設定した、などの指摘は鋭く、面白いと感じた。切腹の場における3兄弟のエピソードなど、日本人だったら誰でも「いとあわれ、あっぱれな死に様よ」と感じ入ってしまうのではないか…?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2019年4月17日
読了日 : 2019年4月17日
本棚登録日 : 2019年4月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする