コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版 (2015年4月10日発売)
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感想 : 75
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2020年7月18日読了。川上量生がジブリ鈴木Pの付き人として過ごした経験から「コンテンツとは何か?」について論じた本。2年間カバン持ちをし続ける、という時点で只者ではないが、なかなかできない経験をベースにしているということもあるが、本書の議論は非常に刺激的で、かつ「なるほど…」と納得させられる点も多い。「情報量」には客観的情報量=実写の情報量と、主観的情報量=アニメのような情報量があり、客観的情報を増やすことは「脳の快感」にはつながらない、などは自分もなんとなく感じていたことをずばり言語化されたようで恐れ入る。「天才は安物のシミュレーター」とは宮崎吾朗監督の発言とのことだが、この人もやはり只者ではないのだな…。コンテンツを作るシステム整備では日本は米中に勝ちようがないため、日本がコンテンツ業界で勝つためには、天才の能力を十分に発揮できる環境を整え、「なんじゃこりゃ!?」という観客の感性に訴えかけること、その成功例が新海誠監督作品なのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2020年7月18日
読了日 : 2020年7月18日
本棚登録日 : 2020年7月18日

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