2021年10月8日読了。大学の研究員・野々村が教授に見せられた謎の砂時計、それに続く人々の失踪…。未解決のまま残された事件は、時空を超えた戦いの一部が表出したものに過ぎなかった…!随分昔に友人に薦められたSF、いやはやこんな話になるとは全く想像できない、ページを繰るたびに「なんじゃ!こりゃ!」と叫びだしそうな、イマジネーションが爆発するかのようなすごいSFだった…こんな小説が自分が生まれる10年も前の日本で発表されていたとは、世界の奥深さを思い知らされる…。語られる描写・説明のほとんどは「とにかくなんかすごいらしい」とちんぷんかんぷんなのだが、読者から見るとわけも分からず争い追いかけっこをしている登場人物たちの営みが、終盤になって「それこそが人間が人間であることの意味なのだ」とドーンと明かされる、そして最後にちっぽけな幸せに満ちた情景に帰結する、このうねるような展開にはとにかく圧倒された。スゲーSFだ。
読書状況:読み終わった
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その他フィクション
- 感想投稿日 : 2021年10月8日
- 読了日 : 2021年10月8日
- 本棚登録日 : 2021年10月8日
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