新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書

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  • ビジネス社 (2009年9月10日発売)
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感想 : 30
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2013年4月22日読了。誕生から亡くなるまでのマイケル・ジャクソンの活動を「幼年時代」「ジャクソン・ファイブ時代」「オフ・ザ・ウォール時代」「20世紀後半」「21世紀」と、成果物・マイケルの成長・周囲の見る目などの異なるいくつかの期間に分けて追った本。海外本の邦訳にしてはこなれた日本語だなと思っていたら、NONA REEVESの西寺郷太による著書とのことで驚き。「教科書」と言うだけあり年表・人名などのデータは抑えられているが、マイケルはもちろんのことジャーメインやマーロンらジャクソンズ、ジョー・キャサリンの両親、ベリー・ゴーディ・ジュニアやクインシーらマイケル周辺の人々への著者の愛情と好奇心が文章からあふれ出しており、読んでいて好感が持てる。マイケルは「結果的にそうなってしまった」スターではなく、「過去の自分を超える」という凄まじい目標(だって、「過去の自分」はギネス級、世界一のスーパースターなのだから)を設定し、それを自らの努力で超越してきたのだ、ということがよく分かった。家族や兄弟からも欲望にまみれたプレッシャーをかけられ、親切にした子供からは金目当てで訴えられ、マスコミには面白おかしく書き立てられ、友人からも変人扱いされ・・・。マイケルが「凡人にも理解できるレベルのポップ・スター」であればこのような苦しみを味わうこともなかったのかもしれない、が。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2013年4月22日
読了日 : 2013年4月22日
本棚登録日 : 2013年4月22日

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