『母がしんどい』( http://booklog.jp/item/1/404602884X )でも描かれていた負の連鎖――母親と同じヒステリーを起こしてしまうことに問題を感じた著者が、いかにしてそれを克服した(感情の制御ができるようになってきた)かを、丁寧に描いている。
自己啓発の「片付け」本からセミナー、カウンセリングなどを調べ、体験していくが、なかなか改善されない。
そして「ゲシュタルト療法」に触れる。
そこでは自身をいかにして客観視し、分析することを経て、感情をコントロールしていく術を身に着けていったか――
わかりやすく描かれている。
自身の怒り方がかつての母に似ていること、ゲシュタルト療法を用いて、その母の気持ちを共感できるようになること、劣等感から旦那さんを高みに押し上げることで、お互いの悪い面を見ないように(対等な人間としてのコミュニケーションを避ける)していたなど、詳しい。
著者はイライラするのは「過去の失敗」と「未来への不安」に囚われ、「今」を見ていないことにあることに気づく。
旦那さんのネガティブな部分を見て、自身のそれや過去の母を見出してしまい、過剰反応(怒り)することでそれから目をそらしていたという事実に気づく。
「暴力がいけない」のは、怒りはあくまで「二次感情」であり、暴力は「報復」に過ぎない(問題の本質ではない)からという事も、著者は気づき、読んでいて私も気づかされる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
心理学 / 精神医学
- 感想投稿日 : 2016年8月4日
- 読了日 : 2016年8月4日
- 本棚登録日 : 2016年8月3日
みんなの感想をみる