ビッグデータvs.行動観察データ:どちらが顧客インサイトを得られるのか DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文
- ダイヤモンド社 (2015年6月8日発売)
安宅氏の論文。
ビッグデータを神格化し、なんでもできるとするのでなく、行動観察データとの棲み分けをわかりやすく定義してくれていることが素晴らしい。
メモ
・ユーザーを理解するための方法
ユーザーに聞く、ユーザーを見る、ユーザーのつもりで考える。
・ビックデータと行動観察データの違い3つ
取得できる情報の厚み、データのカバレッジ、データ利活用のリアルタイム性
・市場構造ニーズ見極めにおいて、具体的かつ立体的なイメージ構築には行動観察的な低成長さが欠かせない。
・提供価値サービス属性設計。この部分ではデジタルサービスはビッグデータが有力だが、行動観察的なアプローチが不可欠
・顧客ごとへのマーケティング。この部分は行動観察では不可能でビッグデータが必須となる。ただし、行動履歴のみで属性推定することは容易ではない。全体像が見えないので。取得データの限界を念頭において扱うべき
・ニーズ発生場面での打ち手提供。ここもビッグデータに負がある。
サービス提供者側がコンテキストを理解しなくとも機械学習で対応可能であったりする。
・取り組みの効果検証。ユーザーの意識と利用行動どちらを見たいかによって大きく変わる。意識変化は聞かないと難しい。SNSコメントは偏りがある。利用行動変化はビッグデータ。ただし、市場全体や競合も含めた部分を考えると、外部データ入手や定量的な行動観察なども必要になってくる。
・近未来の定量的予測。トレンドの骨格は行動観察データが有効。たあし、数値的な予測はビッグデータ。
上記用途別手法サマリ 価値選択では行動観察中心、価値創造、価値伝達ではビッグデータ中心となる。
・データ使用時留意点
1データドリブンアプローチは現実の後追いとなる。突発変化不連続変化には対応できない
2素朴な解析でインサイトを得られることはほとんどない。
3品質は重要。
・考えるという行為は入力をアウトプットにつなげること。
- 感想投稿日 : 2020年5月26日
- 読了日 : 2020年5月26日
- 本棚登録日 : 2020年5月26日
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