夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2000年5月19日発売)
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本棚登録 : 21709
感想 : 2367
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この本には2つお話が入っていて、一個目が表題作の夏と花火と君の死体で、こちらは女子小学生の主人公とその友達の女の子、友達のお兄ちゃんを中心に物語が進む。しかし、主人公である私は読み始めてすぐに殺されてしまうのだ。さらに驚くことに殺された後、最後の最後まで主人公の目線でお話が進むのである。解説の言葉を借りると、死んだ後に神の視点となって話が進んでいって、その表現方法が斬新である。
展開が豊富で、結末まで飽きずに爆速で読み終わった。
2つ目の優子では、鳥越家の主人と、妻の優子、そこで働く清音が登場する。
清音はその館でご飯を作り、運んだり、洗濯など様々な家事を任せられている。しかし、妻が寝たきりになっているという主人の部屋に入ることだけは許されていない。さらに、一回も奥さんに会ったことはなく、ご飯や洗濯時にも存在を感じられない。そしてついに、主人の部屋を覗いてしまう。そうすると、ベッドに横たわる女性の人形と目があってしまう。というのが冒頭部分のあらすじである。
ここまででも十分に、不気味さや怖さを感じゾクゾクするが、さらに物語が進むと恐怖、衝撃、の展開があり、再読は必至である。
どちらの作品も展開が上手くてすぐに読み終わってしまうが、読み返してさらに面白いという物語になっていてとても楽しめた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2024年2月24日
読了日 : 2024年2月22日
本棚登録日 : 2024年2月24日

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