アウシュヴィッツの図書係

  • 集英社 (2016年7月5日発売)
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本棚登録 : 2209
感想 : 200
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世界はこんなにも良書に溢れているのに
人はなぜ『本』から学ばないんでしょう

ホロコーストなんてものが人間の発想なんてことがにわかには信じられないんですが史実なんですよね
推計で600万人(諸説あり)ものユダヤ人が犠牲になったとも言われていて
悪魔だってもう少しマシなんじゃないかと思わせるほどです

よく「悲劇は二度と繰り返すな」などと言われますが今ではもう映画の宣伝に使われるだけの言葉になってしまったようです

本作は悪名高きアウシュヴィッツ収容所に実在した8冊だけの秘密の図書館の物語でフィクションを元にしています
このタイプの作品を読んでいつも思うのは歴史の持つ圧倒的な力ですよ
「本当にあったこと」が持つ有無を言わさぬ説得力

そしてやはり本作が他のホロコースト関連の物語と違うのが『本』を題材にしてるところです
本好きなら誰でも一度は思ったようなことがより鋭角的に表現されています
『本』の持つ力がよりハッキリと感じられます

ですが現実の世界を見た時にやはり『本』の持つ力には限界があるのだなぁ…と悲しく思ったりするのです

そしてそしてやっばり本を粗末に扱う奴はディタに怒られろ!と思うのでした

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アントニオ・G・イトゥルベ
感想投稿日 : 2022年5月25日
読了日 : 2022年5月24日
本棚登録日 : 2022年5月17日

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