ひりつく夜の音

著者 :
  • 新潮社 (2015年9月18日発売)
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本棚登録 : 219
感想 : 35
4

ザ・小野寺史宜さんな作品

若干のスパイスはあったりするかも

今作は大きな波が立ち上がりそうな気配をところどころに匂わせつつも平常運転
そこがにくい
そこが楽しい
そこがなんかむずがゆい
でもそれがいいのだ

主人公が週に一回通うファミレスの朝食バイキング
お互いに見知った顔で目線を交わしたりするが特に話したりはしない
なにかのきっかけで話をしたとしてもその後じゃあ一緒に食事をとはならないそれぞれの席に戻っていく
まさに小野寺史宜さんと読者の距離感
のような気がする

でも小野寺史宜さんの物語に登場する人たちはちょっとだけ動いてみる
ちょっとだけ前に踏み出してみる
横にずれてみる場合もある
とんでもない結末にはならない
んでもちょっとだけ幸せな結末になる

それでいいのだ
それがいいのだ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小野寺史宜
感想投稿日 : 2022年4月14日
読了日 : 2022年4月14日
本棚登録日 : 2022年4月11日

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