日本人が気がついていない、日本の素晴らしさについて述べる本。周囲を囲む海、湿気の高い環境、自然を克服するのではなく順応することで独自の文化や技術を培ってきた古き良き日本の再評価です。
とかく、自分が住んでいる国や街については、案外知らないことが多いもので、その殆どは根拠希薄なパブリックイメージに左右されていることがほとんど。
例えば、一見、栄養など殆どなく、ただお腹を満たすためだけのように見える「日の丸弁当」が、酸性食品(米)、アルカリ性食品(梅干し)の組み合わせによる、極めて合理的なエネルギー補給を促す食事である等という話は学校で教わることもなく、通常、知りようもありません。タイトルにもなっている「梅干し」については、そんな形で本書にて紹介されています。
当たり前に存在する道具、衣服、言葉、風習には、それを生み出し、育んだ先人たちの知恵が隠されていることが多いですが、一方で、その背後にある物語が語られることは少なく、よって、下手をすると自国の文化に敬意を払うことを忘れがちになります。したがって、この本で紹介される数々の、日本文化に関するエピソードは知的好奇心を刺激すると共に、自国に対する自信と誇りを換気させてくれる効果があると高く評価されています。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文化
- 感想投稿日 : 2023年11月25日
- 読了日 : 2023年11月19日
- 本棚登録日 : 2023年11月19日
みんなの感想をみる