万能鑑定士Qの事件簿VII (角川文庫 ま 26-316)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年12月25日発売)
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万能鑑定士シリーズの第7弾。脱税疑惑を持つ雑誌『イザベル』の編集長・城ヶ崎七海への莉子による4ヶ月間の内定調査と延べ棒の逆錬金術事件を縦軸にその中で起きる小説の盗作疑惑やペンダント盗難事件などを莉子の見識を持って明らかにしていく物語。
7巻までで過去最長の期間をかけたストーリーだが、その時間の経過を感じさせないテンポの良い展開がとても面白かった。この回のゲストキャラクターである城ヶ崎の冷徹さは仕事への姿勢に加えて、堕落した家族を養うために脱税にまで手を染めている所がもったいなく、本気で城ヶ崎にあこがれていた園部以下、仕事に見合う給料を払わなかった結果、罪を犯してしまった雲伊などにまで様々な部分に影響をもたらしてしまった所にもつながるところがとても切ないなぁと感じてしまった。その後の会社自体は売却されたものの角川が全社員と『イザベル』をやり直していった所は城ヶ崎の思いを最大限にくみ取ったのだと感じました。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
凜田莉子:佐藤聡美
小笠原悠人:寺島拓篤
荻野甲陽:平田広明
宮牧拓海:福島潤
嵯峨敏也:井上和彦
氷室拓真:緑川光
城ヶ崎七海:田中敦子
園部遥菜:上坂すみれ
菊原琢磨:鳥海浩輔
雲伊司:日野聡
風峰颯太:浪川大輔
高柳匠:千葉一伸
須築倫太郎:茶風林
横畑大和:小林親弘
藪野稔:森久保祥太郎

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー小説
感想投稿日 : 2022年3月12日
読了日 : 2022年3月12日
本棚登録日 : 2020年8月28日

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