1990年に発行されたとは思えないほど、AIなどのコンピュータ用語が出てきていたために古くささを感じず、スラスラと読むことができた。
本の内容としては序盤から登場している伏線を余すことなく回収していてとても面白かった。
学生街という閉鎖的な雰囲気のなかでおきる連続殺人。そして誰もが過去にとらわれながら生きている中で、それにどのように落とし前をつけ生きていくのかというところに焦点が当たり、その行動によって起きてしまう悲劇がとてもなんとも悲しく、切ないものだと思った。
最後に、光平の父が光平に向けてかけた言葉を書いておきたい。この言葉はこの物語の神髄だと思う。
「間違ったかどうかも、本当は自分で決めることだと思うがな。間違いだと思えば引き返せばよい。小さなあやまちをいくつも繰り返しながら、一生というのは終わっていくものではないかな」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー小説
- 感想投稿日 : 2021年5月15日
- 読了日 : 2021年5月15日
- 本棚登録日 : 2020年8月25日
みんなの感想をみる