前皇帝の崩御によりユリアヌスは皇帝の地位についた。
ユリアヌスは哲学的思想によりローマ帝国の腐敗した政治の改革を目指した。最期はペルシア遠征中、志半ばで倒れた。
人の在るべき姿を描いた作品。まさに思わず息を呑んでしまうほどの名句がたくさん出てくる。
上巻は何だかパッとしない雰囲気だったが、尻上がりに面白くなってきた。我慢して読破した甲斐があった。哲学という分野も中々捨て難いと思った。
人間は永遠に未完成のものかも知れぬ。永遠に完成に向かって走りつづけるものかも知れぬ。だが、それは走っているのだ。そのことが肝心なのだ
寛容とは、その無制限な横暴を見て見ぬふりをすることではない。もしこの寛容の背後に、寛容をもたらした精神の火が燃えていないのなら、それは無責任の傍観に等しい。寛容が寛容であるためには、それを支える確たる精神が目覚めているのでなければならぬ
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年1月18日
- 読了日 : 2009年7月15日
- 本棚登録日 : 2014年1月18日
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