背教者ユリアヌス 下 (中公文庫 A 48-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (1975年2月10日発売)
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感想 : 33
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前皇帝の崩御によりユリアヌスは皇帝の地位についた。
ユリアヌスは哲学的思想によりローマ帝国の腐敗した政治の改革を目指した。最期はペルシア遠征中、志半ばで倒れた。

人の在るべき姿を描いた作品。まさに思わず息を呑んでしまうほどの名句がたくさん出てくる。
上巻は何だかパッとしない雰囲気だったが、尻上がりに面白くなってきた。我慢して読破した甲斐があった。哲学という分野も中々捨て難いと思った。


人間は永遠に未完成のものかも知れぬ。永遠に完成に向かって走りつづけるものかも知れぬ。だが、それは走っているのだ。そのことが肝心なのだ


寛容とは、その無制限な横暴を見て見ぬふりをすることではない。もしこの寛容の背後に、寛容をもたらした精神の火が燃えていないのなら、それは無責任の傍観に等しい。寛容が寛容であるためには、それを支える確たる精神が目覚めているのでなければならぬ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年1月18日
読了日 : 2009年7月15日
本棚登録日 : 2014年1月18日

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