「知の巨人」立花隆氏と、「知の怪物」佐藤優氏の対談本。
サブタイトルとして「必読の教養書400冊」と書かれている。つまり、「知の巨人」と「知の怪物」が、読むべき本としてセレクトした濃厚な400冊が紹介されているのですね。
正直、これだけ「知」を極めつくしたこの二人が対談をするとなると、両者一歩も引くことなく、壮絶な知的バトルが展開されて、収拾がつかないほどの喧嘩になっちゃうんじゃないかと心配でした。
ところがどっこいそんな心配は無用で、このお二方は、とても仲良く対談を楽しんでおられたのでした。
お互いの知を認め合いつつ、むしろこの機会こそ高質の知を相手から得られるチャンスとばかりに、自身の知らない部分はどんどん聞き出し、未知の世界へ食いついていき、そして自身の知との核融合させ、結果として自身の知も相手の知も増幅させるという相乗効果を生み出すことに互いに成功しているように感じました。
もちろん、ここで繰り広げられている対話のレベルは非常に高く、私にとってはむしろ空中で展開されているようにさえ感じました。正直のところ、ここでご紹介いただいた400冊のほとんどは、今さら自分には必要ないと感じています。また、これからの自身の人生において、これらを読むことが役立つかというとそうも感じられませんでした。
読みたいと思った本は、多少本棚に登録はしたものの、それほど増えませんでした。ここでお二方がリストアップされた本は、どちらかというと巨人や怪物にとっての最高の知のエッセンスなのだろうと思います。そこに至るまでに、もっと雑多な中間的な読書を多く経られたのだろう思います。従って、そういう中間的な読書もままならない者にとっては、いきなりこんなのを読んでもまだピンとこないだろうなと思います。
だけど、この本では、それらのエッセンスについて語り合われています。初耳のテーマや聞きなれないキーワードなんかも続出ですが、やはり頭のいい人たちが語ると、難しいこともなんとなくわかるように話してくれるし面白い。ニュアンスが伝わるというか、なんとなく分かったような気にさせてくれる(笑)。ですので、本書を読んだことは無駄ではなく、むしろ有効だったと感じます。
- 感想投稿日 : 2018年3月1日
- 読了日 : 2018年3月1日
- 本棚登録日 : 2018年2月18日
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