2016 本屋大賞受賞の宮下奈都さんが、一家で大雪山の村トムラウシに山村留学したときの日記エッセイ。
冬は極寒の超過疎の村、小学校も中学校も全校生徒合わせてヒトケタのような場所。
山村留学は今の世界に捨てられないものがある人には出来ない、と書かれている。
主にお子さんの学校が話題の中心。
超少人数生。
超ユニークなカリキュラム。
型どおりのことは出来ないかもしれないが、確実に学ぶ力はつきそう。
基本的に明るい話で構成されているが、ご主人は極端に人見知りなようだし、宮下さん自身もパニック障害を抱えているらしい。
作家、という場所を選ばない仕事というプラス要因も手伝っての山村留学であろう。
人の数が少なく、人間関係が濃密、それが良いとは限らないがプラスに出る部分ももちろんあろう。
トムラウシの中学を出て下宿して遠くの高校に通うなっちゃんが歩けなくなってしまうエピソードが印象的。
以下、引用
"心ってわからない。なっちゃんは嘘をついていない。ほんとうに自分の心と身体のことがわからなかったんだろう。私にもわからない。息子や娘のことも、わからない部分がいっぱいあるのだと思う。わかるふりをしたり、わかったつもりになったりするよりいい。少なくとも、わからないことがある、とわかってよかった"
全く同感
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2016年5月19日
- 読了日 : 2016年5月19日
- 本棚登録日 : 2016年5月15日
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コメント 2件
koshoujiさんのコメント
2016/05/24
adagietteさんのコメント
2016/05/25