完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)
- KADOKAWA/メディアファクトリー (2015年12月25日発売)
若林さんはテレビで見かけて「本好きなのかな?」と思う程度で、ラジオは聴いていない人の感想です。
オードリーとして売れてから数年のイメージ(この本を書いていた時期)では、人見知りで気難しい方だけど芸人として頑張っている方という印象でした。
最近では当時よりも素人の方に高圧的な絡み方をしたり、少し苦手な人になってしまっていた。何故かは分かりません。
「自意識過剰」としかいいようがない。
貧乏芸人から売れっ子芸人の狭間で感じたこと、過去の自分が現在の自分を苦しめる(芸人になったら苦手な食レポとか写真撮影が増える)って思わなかったのがよくわからなかった。
読むにつれ自意識過剰な人ほど、その分人が好きで人に認めてもらいたい欲求が強く、なんらかの表現をするようになる。また、子供の頃に見た芸人達の姿に憧れを持ち夢を追うことにしたことがわかった。
時間を効率的に使う「出来る人」と比較し自身の「時間を無駄にするのが好き」の話が出てきた…こうなると自意識過剰の私は「無駄にするのもそれはそれでいいよね派」を勝手に作り上げて、その派閥にも入りたくない気持ちになったりしてしまう。
読んでる私も自意識過剰なため、よくわからない部分と共感できる部分が混在している。
読んでから少しだけ変わったのは、現在の若林さんの見方である。
後半になるにつれ、だんだん考えるけれど「どっちでもいいや」と言う方向に向かっている。自分で考えて他人のすすめたことを拒絶するも、結果的にすすめられた方法の方が良かったりする話をしていたが、それが全てを表していると思う。だんだん"大人"になってきたと言うことなのか?
他人を評価することで優越感に浸る人が増えていると言う話があり、日頃からSNSを利用しているため自覚や理解をしてたが、前の好きだった若林さんに対して私は「人付き合いが苦手そうだけど芸能界でなんとかやってる人」として共感しつつ「自分はここまででは無い」と下に見て安心していたのでは無いか?と言うことに気付かされた。
社会に出た感覚が30歳だからこそ見えた景色を書いている。はやく売れていれば早まっただけのことなのかも。
俯瞰で捉えてるからこそ冷静に書き起こしていてすごい。そのせいか連載としてまとめようとしてる要素が小賢しいと本人も感じながら書いているようにも読めた。
ファンの方が読んでる方が多い本だからだろうか?人生の教本的な意見もある。エッセイではあるが、人生を学ぶ本ではないように思う。(自身もよくこんなことを考えることがあるので)人それぞれです。
ひとまずテレビで見る若林さんは、無理せず少しは楽になって楽しく過ごせてると言うことはなんとなくわかった。
- 感想投稿日 : 2022年5月10日
- 読了日 : 2022年5月10日
- 本棚登録日 : 2022年4月15日
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