何故かここ数日、朝の爽やかな時間帯に、このねっとりとした話を読んでいた。
婦人が体験した奇妙な同性愛の顛末について語る。
語り口が軽やかな関西弁で、言葉の一つがなんともひらひらと漂うように響いてくるせいか、起きていることの湿気のようなものが薄まっていく。
でも、だんだん面では被害者を装いつつ、自分の利益を常に考えている人、ただただ人を振り回す癖のあるネチっこさみたいなものが同じ関西弁で濃く嫌らしく響いてくる。
谷崎潤一郎さんは「痴人の愛」を読んで以来で久しぶり。
またもや一人の女性に振り回される話、この人Mだな。
追記:江戸川乱歩さんも新潮文庫の夏カバー(赤一色)に惚れて購入し読み、いつのまにか命日に読んでいた。
この「卍」も2018年の夏カバー(赤一色)そして読了した本日(2021年7月24日)は谷崎潤一郎さんの誕生日…なんかカバーの魔力とかあるのかな?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年7月24日
- 読了日 : 2021年7月24日
- 本棚登録日 : 2021年7月23日
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