4人の作家によるエラリー・クイーン「Yの悲劇」をモチーフにした短編集。
「あるYの悲劇/有栖川有栖」
火村&アリスコンビによる短編。私は犯人当てのカギとなるある「事実」を知らなかったので楽しく読めたが、この事実を予め知っている人は途中ですぐに犯人が分かってしまうので、ちょっと物足りなく感じるかも?
「ダイイングメッセージ《Y》/篠田真由美」
悲しいお話。被害者が最後に残したメッセージの意味を、時間がかかってもきちんとわかってくれる人がいてくれるということだけが救い。
「「Y」の悲劇―「Y」がふえる/二階堂黎人」
本書の中でも一際異彩を放つストーリーだが、個人的には「メタ・ミステリー」というジャンルが苦手なため、読みにくかった。最後のオチもいまひとつ。
「イコールYの悲劇/法月綸太郎」
犯人の小細工によって失われた本来のダイイング・メッセージが、ささやかなきっかけによって再現されていく様子が鮮やか。
全体的には、同シリーズ?の「「ABC」殺人事件」の方が満足度髙し。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
推理小説
- 感想投稿日 : 2013年7月23日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年7月17日
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