時に恐ろしく、時に壮麗な描写。
オブラートになんか包まず、紳士的に、でも(色々と)容赦ない語り口調。それでもところどころに希望を感じさせてくれる。「作者は人間に優しいのでは?」と、どこかのレビューで見たのを思い出し、納得。
とんでもない作品。
おとぎ話のつもりで近づくと度肝を抜かれる。10代の頃に読みかけて断念したけど、その時に読破していたらどうなっていたんやろ。同じく10代、もっと若い時期に読んだ子達はどんな感触、感想を持ったのかな。(今や話以上に気になり出している…)
「時代は変わった」を合言葉に将来役に立つことにしか時間を使わない。そうやって情緒も感じられない空虚な人間に近づいていくところは『はてしない物語』にも通じていたり。
息をするのも忘れるくらいにスリリングな時間奪還作戦を経て、話はチャーミングに締めくくられる。(これがまた映画みたいで思わずにやける)
でもそれは、この一連の流れを知った読者に対するはじまりの合図にも取れて、結局最後の最後まで度肝を抜かれてしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年10月21日
- 読了日 : 2021年10月21日
- 本棚登録日 : 2021年10月21日
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