プロチチ(2) (イブニングKC)

著者 :
  • 講談社 (2012年10月23日発売)
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本棚登録 : 148
感想 : 14
5

育児よりも仕事時間の方が長い母と、育児に専念する父。
昔考えの人にとってはアリエナイ家族かもしれないけど、それでちゃーんとうまくいってる。
仕事一筋で育児に関わる事の少ない父親が多い中、父と母の役目が逆転してるこの家族は、母親が、仕事一筋父親の感じる育児への思いみたいなものを感じていたり。

アスペルガーゆえに人との関わりが苦手で仕事を辞めた直(なお)は、一人息子「太郎」が生まれてから育児に専念してきたけど、この巻でアルバイトながら仕事を始めることになる。
もちろん「言葉通りにしか受け取れない」とか「相手の感情を読めない」という特質のためにトラブルも起こるが、それを上回る仕事に役立つ能力があり、店長も仕事仲間もうまく直をフォローしてくれる。

こういう目に見えない障害(?特質?)っていうのは、何も知らない人にとっては、「何この人?(イラッ)」っていう思いを抱かせるものだけど、トラブルが起きなければ普通の人に見えてしまうっていう部分もあり、どっちがいいものなのかと考えてしまう。
深く関わらない相手なら、何も言わないで「ちょっと変な人」と思われるだけでいいけど、長く関わっていく相手に対してはどうしていくのか。

太郎が保育園に入る事になり、恐らく今後、直は太郎の保育園の保護者たちと関わる事も多くなるだろうし、そうなった時に、直の「おかしなところ」が周りの保護者にどう映るのか。
まだ太郎の保育園生活は始まったばかりで、周りの母親たちは(直をバツイチ子持ちのパパと勘違いして)好意的に見てくれているけれど、今後どうなるのか気になる。

直の妻 花歩はキャリアウーマンで、育児に関わる時間がものすごく少なく、ある固定観念を持つ人からは反感を持たれそうなキャラだけど、そうならないで可愛らしい女性に描かれているし、何よりこの夫婦、とても仲がいい!こういう、お互いの長所短所をうまく補って、お互いを思いあえるっていうのは素敵だなと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2013年3月16日
読了日 : 2013年2月28日
本棚登録日 : 2013年2月25日

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