ある微笑 (新潮文庫 サ 2-2)

  • 新潮社 (1958年5月5日発売)
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本棚登録 : 623
感想 : 51
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人生にすでに倦怠している若い女性が、恋に執着する。
他になにも知らないからこその執着心なのだと思う。
恋は、他のものがすべてくだらなく思えるくらいの魔力はあるんだけど、なにか持っているかいないかで、恋の意味合いは全然変わってくると思う。

相手の方が恋愛について上手で、楽しんでいて、
ドミニックは、若いからこそ、恋に飲まれて一人で苦しんでしまう。
ロマンティックだけど、当の本人の苦しみは凄まじい。
自分は世界で一番相手を想っているのに、相手にとってはなんてことない出来事ってすごく悲しい。ほんとうに孤独だ。

フランソワーズが「私はあまり若くないでしょ」っていう言葉を絞り出すように言った場面が印象に残った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年10月20日
読了日 : 2011年10月20日
本棚登録日 : 2011年10月20日

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