題名からどんな話か全く想像がつかず、なんとなくパワフルで物悲しいイメージがあった。
読んでみるとと、これまで読んできた話とは違う感じでかなり新鮮だった。
なんらかの事情で母のいない子どもを世話して各地をまわるというお話。
現代と過去の二つの視点が交錯する。
母親をテーマにした作品は数あれど、ほんのいっとき、全身全霊の愛情を注いでいなくなる母親の姿に胸がいっぱいになる。
同時に、母を求めてやまない子どもたちの姿も心が痛む。
広美さんが子供を求める姿は、ちょっと狂気的なところもあり、子どもと一緒にいられるのなら、身も心も男に捧げることすらある。
後半は子どものためにここまで…という場面もあり、広美さんの愛の深さを痛感させられる。
一人の母親の生き方が周囲を変えていく様子も描かれ、なんとも言えない後味もよかった。
血のつながり、法的なつながりを持たない母親の姿を描き、母とは親子とはということを考えさせられる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月28日
- 読了日 : 2023年1月28日
- 本棚登録日 : 2023年1月21日
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