母親ウエスタン (光文社文庫 は 35-1)

著者 :
  • 光文社 (2015年1月8日発売)
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本棚登録 : 469
感想 : 48
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題名からどんな話か全く想像がつかず、なんとなくパワフルで物悲しいイメージがあった。
読んでみるとと、これまで読んできた話とは違う感じでかなり新鮮だった。

なんらかの事情で母のいない子どもを世話して各地をまわるというお話。
現代と過去の二つの視点が交錯する。

母親をテーマにした作品は数あれど、ほんのいっとき、全身全霊の愛情を注いでいなくなる母親の姿に胸がいっぱいになる。
同時に、母を求めてやまない子どもたちの姿も心が痛む。

広美さんが子供を求める姿は、ちょっと狂気的なところもあり、子どもと一緒にいられるのなら、身も心も男に捧げることすらある。

後半は子どものためにここまで…という場面もあり、広美さんの愛の深さを痛感させられる。
一人の母親の生き方が周囲を変えていく様子も描かれ、なんとも言えない後味もよかった。

血のつながり、法的なつながりを持たない母親の姿を描き、母とは親子とはということを考えさせられる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月28日
読了日 : 2023年1月28日
本棚登録日 : 2023年1月21日

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