NHK『100分de名著』から興味がわいて読んでみたけど、私の凡庸な頭では正直ちょっと理解が追いついていない。
とりあえず、神話(古事記)が政治的な意図をもったものだということに目から鱗だった。
考えてみれば、歴史は勝者がつくるわけだし、当たり前なんだけど、政治と宗教は別物だと思っていた。
いやでも、仏教の檀家制度で戸籍を管理したって、どこで知ったんだっけ。キリスト教の布教と植民地支配の歴史だって十分に政治的だ。だから、神道が例外なわけはないのにな。
信仰心とは別に、宗教の物語性は共同幻想として機能しやすく、それが国家としてまとまるのに使い勝手がいい。じゃあ、宗教の共同幻想が薄れたいまの日本には、どんな共同幻想があるんだろう…と考えたけど、p.48に、神話では「習俗と生活威力とがからまった〈幻想〉の位相をしるには、あまり適していない。 」とあった。神話や宗教だけでは日本の国家としての共同幻想を捉えられないのか。
「国家」の共同幻想とはなにか。私の所属している「集団」の共同幻想ってなんだろう。難しい本だなあ、でも面白い。
本書を読んであらためて番組を見直すと、ほかの著作からの引用なんかもあり、さらに面白かった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説以外
- 感想投稿日 : 2020年8月11日
- 読了日 : 2020年8月11日
- 本棚登録日 : 2020年8月11日
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