この作品で、作者と交流のある漁夫の画家とは、木田金次郎という実在した方のようですね。
漁に出たときに、漁師たちが、荒波に襲われた出来事があった。
漁船がひっくり返されて、漁師たちが海に投げ出されたあとの心理描写が凄い。
私は、木田金次郎の絵に興味を持ったので、後に調べてみたのだが、有島の極寒 北海道の海の荒々しさの表現と、木田の作品の酷似さに気づいた。
木田は有島をとても慕っていたようだ。
ひとりの才能ある画家が貧しいがために、家族を思い自分の夢を絶たなくてはならないのか。
“恐ろしい企図(自殺)”に、到って、後ずさりする。
永い永い厳冬を、忍耐強く辛抱してきた男らしさが、重々しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
♪あ行 作家
- 感想投稿日 : 2014年11月5日
- 読了日 : 2014年11月5日
- 本棚登録日 : 2014年11月5日
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