私がおばあちゃんになるまで大好きだと言い続けるであろう「夏の庭」の湯本香樹実さん作品。
最近秋めいてきたので、よし!とページを開く。
夫を失ったばかりで虚ろな母と7歳の主人公の、ポプラ荘でのおばあさんや住人との交流。
「おばあさんがあの世に行く時に郵便してもらう」為に書き溜めた亡くなった父への手紙。
静かで、物哀しい雰囲気が漂うけど(秋という季節がそう思わせるのかも)、とても穏やかで優しい気持ちになる。不思議とすっと心が落ち着くような。好きだなぁ。
千秋に強迫性障害の症状が出た時(はっきりと書いていないけれど)、比喩表現に身に覚えがあり過ぎて、幼い自分と重ね合わせてしまった。
私も「家族に何かがあったらどうしよう、悪いことが起きたらどうしよう」という緊張から始まったような気がする。
焼き芋の場面好きだなぁ。焚き火の煙の匂いを思い出した。もう少し寒くなってから読んでも良かったかもしれない。
ああ、もうすぐ大好きな秋本番だな。
夏は「夏の庭」、秋は「ポプラの秋」。季節の節々で湯本香樹実さんを読み返したくなるんだろうな。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月18日
- 読了日 : 2023年9月18日
- 本棚登録日 : 2023年3月16日
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